有田 正広
ARITA Masahiro(フルート)
有田正広は、音楽史とともに変遷を遂げてきたさまざまなフルートを用いて、その稀にみる音楽性とたゆみない研鑽により、さまざまな時代の作品に輝かしい光を与え人々を魅了しつづける巨匠として、世界に名高い。
1972年、桐朋学園大学を首席で卒業。同年、NHK・毎日音楽コンクール優勝。翌年、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に留学。1974年からはコレギウム・アウレウムのメンバーとして、ヨーロッパ、日本などで活動。1975年、王立音楽院をプルミエ・プリで卒業。同年、ブルージュ国際音楽コンクールのフラウト・トラヴェルソ部門で第1位となる。1977年、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に入学、半年で最高栄誉賞つきソリスト・ディプロマを得て、卒業。その後、フランス・ブリュッヘン指揮「18世紀オーケストラ」のヨーロッパ・ツアーや、クイケン兄弟との共演、トレヴァー・ピノック指揮「イングリッシュ・コンサート」日本公演ソリスト、トレヴァー・ピノック、レイチェル・ポジャーらとの室内楽による日本ツアー(1999年と2001年)など、内外の名手たちとも盛んに共演。またドイツのバッハ・アルヒーフの招請によりライプツィヒでレクチャー、セミナー、およびコンサートを度々行っている。
国内でもリサイタルや意欲的なプログラムの室内楽シリーズなど、フルート奏者としてめざましい活躍を行っている。とくに、ルネサンスから現代に至る400年間に変遷を遂げたさまざまなフルートを駆使する演奏は、有田正広ならではのもので、1999年CD発売に合わせて行った無伴奏でのリサイタルが話題を呼び、その後の2002年水戸芸術館、2003年東京文化会館(2回にわたるレクチャーコンサート)では、共演にそれぞれ同時代の鍵盤楽器を使用するなどさらに発展的な形をとり、注目を集めている。
指揮者としては、1989年に「東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ」の結成記念公演を行い、絶賛を博した。2006年にはモーツァルト生誕250年を記念し、モーツァルトのフルートとオーケストラのための作品全5曲を自身の指揮と演奏により、同オーケストラと一晩で演奏するという快挙を成し遂げ、話題を呼んだ。これまでに京都市響、京都フィル、北九州ホールアンサンブル等に客演。
「ドイツ・バロックのフルート音楽」(UCCA-3160/1985年レコード・アカデミー賞2部門と文化庁芸術作品賞)、「パンの笛〜フルート、その音楽と楽器の400年の旅」(CD:COCQ-83281〜83282、DVD-AUDIO:COAQ-5/1999年文化庁芸術祭優秀賞)、「有田正広『世紀(とき)を超えるフルート』」(CD:AVCL-25004、DVD
AUDIO:AVAL-25404)など、アルヒーフ、DENONアリアーレ、avex-CLASSICSから多数の録音が発売されており、いずれも高い評価を得ている。最新盤は『モーツァルト:フルートと管弦楽のための作品全集』(COJO-92145)である。
1989年度第21回サントリー音楽賞受賞。
現在昭和音楽大学教授、桐朋学園大学古楽器科講師。
|