ドイツ南部で起こり、いくつもの東ヨーロッパの国々を流れ黒海に注ぐドナウ川。第20回定期演奏会では、その流れに沿って、流域の国々から作曲家を選びました。
川島素晴:シンフォニア・ドナウ
ドナウ川にまつわる2曲「ドナウ河のさざなみ」と、「美しく青きドナウ」をベースにした作品。想像上のドナウ川クルーズをお楽しみ下さい。
クルターク:…幻想曲風に… op.27(1988)
ピアノ曲集「遊び」などで著名な現代ハンガリーを代表する作曲家。この曲もピアノがソロとして扱われ、ピアノとティンパニのみがステージ中央に置かれ、その他の楽器は周りに配置するように指示されています。しかしクルタークの音楽は協奏曲的な華やかさを求めるのではなく、内省的な、必要最小限の音符で書かれています。4つの楽章は切れ目なく演奏されますがpppppから始まって盛り上がった後、最後はまた消えていくように終わります。聴く人ごとに様々な思いを抱かせる、ファンタジーの世界がひろがります。
カプースチン:11人の奏者のための協奏曲 op.90(1988)〔世界初演〕
ウクライナで生まれモスクワで学び、ジャズとクラシックが融合したピアノ曲を中心に我が国でも熱狂的なファンを持つカプースチン。近年は超絶技巧の持ち主として名高いマルク=アンドレ・アムランが取り上げるなどピアノ愛好家の中でますます注目されてきました。この曲は弦楽五重奏、木管五重奏とピアノの編成でかかれています。98年に書かれた作品ですが、今回が世界初演となります。
ニクレスク:ISON I(1973)〔日本初演〕
1927年に生まれたルーマニアを代表する作曲家。昨年、西村朗が武生音楽祭で出会ったルーマニアの若手作曲家ディアナ・ロタル女史に、いずみシンフォニエッタ大阪でルーマニアの作曲家を取り上げようと考えている旨を話したところ、「私の作品よりも是非ニクレスク氏の作品を」と推薦され決まりました。ご本人も日本で自分の作品が紹介されることを大変喜んでおりましたが、本年1月22日に80歳で亡くなられました。追悼の想いを込めて。
シェーンベルク:室内交響曲 第1番 op.9(1906)
いずみシンフォニエッタ大阪の選曲会議でずっと候補に挙がり続け、いつか取り上げよう、取り上げねばならない、と考え続けてきた小編成オーケストラのための大作で、ひとつのエポック・メーキングともいえるこの曲。古典派からロマン派、近代とオーケストラの編成は一般に拡大の一途をたどってきましたが、ここでシェーンベルクは、室内楽と管弦楽曲の融合した世界を描こうと試みています。「15人のソロ楽器のために」と題されたこの曲では、奏者それぞれが独立した、まさに室内楽のような個の集合体であり、また同時にシンフォニックな厚みのある音響も兼ね備えています。
|